お知らせ


人を騙す精子

2023.10.10 妊活レッスン

伝統的なICSI(顕微授精)はエンブリオロジストが精子の外観形態と運動力の最も優れた精子を選びICSIを行います。しかし中には偽物の精子がエンブリオジストの目をだまします。彼らは外観、形態、運動力全て優れていますが成熟していない精子で、DNAの断片が多く存在しています。これら形態の精子は肉眼で分けることは難しく、成熟した精子が頭部に持つ必要がある「ヒアルロン酸受容体」が欠けています。もしICSI治療の中でこの成熟していない精子が選ばれた場合、胚の発育は理想的ではなく着床率も高くはなく、早産の危険も増加します。


この状況を改善するためにも、医学界発展の新しい技術が出てきました。 PICSI:精子そのものの生理学的特徴を利用して、成熟していることが確実な精子を選択して顕微授精を行います。


成熟した精子は頭部にヒアルロン受容体器を持っており、ヒアルロン酸と結合が可能です。PICSI技術とは特殊な培養皿の上に乾燥したヒアルロン酸の層です。培養液で洗浄する中で精子とPICSI培養皿のヒアルロン酸が結合した時、成熟した精子の頭部のみが培養皿のヒアルロン酸と結合します。エンブリオロジストはICSI(顕微鏡)で、尾は常に動いているか、頭が固着して自由に進むことができない精子をすぐに観察することができ、そのような精子をICSIために選択することで、確実に優秀な精子を卵子へ注入することができます。


もしAMHの数値が良ければ卵の数も多く、体外受精を複数回行ったものの、培養できた胚が数個しかない場合は、PICSI を試してみてもよいでしょう。精子を欺いていることに問題があるのかもしれません。