体外受精(IVF)では経膣超音波を使って、卵子を成熟状態で吸引し採卵します。そして培養液を入れた専用容器にいれ、ご主人様の精子とふりかけ 、自然な受精を期待し、採卵の翌日に受精された形体が見られれば、受精成立と判断します。その後は子宮内に胚を移植したり、凍結保存したりします。
【体外受精の流れ】
卵巣に卵子を採取する処置です。
経膣超音波を使い、画像を見ながら採卵専用の針で卵胞を刺して、卵胞液と卵子を採取します。
卵子の数によって、約30分~1時間ほどかかります。患者さんの安全と痛みを取り除くため、静脈麻酔を使用し、眠った状態で採卵を行います。 採卵後は、回復室で3~4時間安静をし、麻酔切れたら、ご自宅にお帰り頂けます。
取卵手術
取卵針穿刺卵泡
• 尿をたくさん膀胱に溜めた状態で経腹超音波で子宮内膜の厚さや移植位置を確認しながら行います。
• 移植前にご夫婦の名前をダブルチェックし、移植後に胚をしっかり子宮腔に移植した後もダブル チェックを行います。
•移植後は回復室で1時間程度安静にしていただき、ご帰宅となります。
新鮮胚移植一初期胚もしくは胚盤胞を、採卵した周期に子宮内に戻します。
凍結融解胚移植一採卵周期以外の周期に理想的な子宮内膜環境を整え、分割期胚と胚盤胞を同じ周期で連続して移植する凍結融解した胚を戻す。
孵化とは、胚盤胞が子宮内膜に着床する時に透明帯と呼ばれる殻を破って出てくる現象のことです。 透明帯が厚くて硬いと、孵化がうまくいかないことがみられます、一般的に胚を凍結した場合や年齢が高い場合などに透明帯が硬くなるといわれています。
孵化促進法(AHA)とは、このような場合にLASERSで胚の透明帯(周りを覆っている殻の部分)に穴を開けたり、もしくは薄くして孵化しやすくさせる、妊娠成功率が上がります。
過去の基礎体温表から、おおよその排卵時期を予測します。
月経周期の2-5日目に、排卵誘発剤(経口薬)で卵胞を育ちます。 (タイミング法は、人工受精の妊娠率を上げるために使われます。)
月経周期の13日目に、卵胞の成長と内膜の厚さをエコーでチェックし、卵胞が成熟すれば、卵胞促進薬(HCG)を注射してから24-36時間後に、排卵を行います。ご主人様はご来院で採精してもらった精子を洗浄濃縮して元気な精子たちを選び、カテーテルで調整した精子を子宮内へ注入します。
人工受精した後15日目、月経予定日頃に妊娠判定が可能になります。
IUIには約2~3週間かかり、平均妊娠率は約15%となっています。当院では2~3回を目安に、次の段階である体外受精を考える必要があります。
不妊症の原因は、男性女性のどちらにもあります、女性側の原因は40%、男性側の原因は40%、どちら側にも問題がある場合は20%を占めています、また原因不明の場合も10%あります。不妊検査を希望するのであれば、できるだけ早いうちに受けましょう。
女性側:
男性側:
不妊原因によっては、投薬治療にで足りないものを補ったり過剰なものを抑えたりしながら、ステップアップ治療を行うこともあります。薬剤で不妊原因そのものが根治するケースは、非常に限定的であり、投薬をお行っている期間のみ薬剤の力を借りて問題を乗り越え、妊娠しやすい状態に導くいう考え方です。
体外受精では良質な卵子をできるだけ多く採取するため、卵子の成熟を助け、排卵を起こしやすくする排卵誘発剤が用いられることがあります。場合によっては副作用が起きてしまう可能性もあります。 主な副作用は卵巣過剰刺激症候群(OHSS)です。軽度であれば、通院治療で済みます。重症化すると入院加療が必要となります。
卵巣の表面の血管から水分やタンパク質、電解質が漏れ出してお腹に溜まることにより起こります。腹部の膨張感や腹痛など自覚症状があれば、一週間で改善されます。しかし、体重の急増や呼吸困難、尿量が一日500ml未満などであれば、入院し点滴で血液濃縮の防止や尿量の確保を行ったり、胸やお腹などに多量に溜まっている水を除去する処置が行われます。
OHSSを発症した場合は、妊娠すると症状が悪化しますので、体外受精の胚移植は一旦中止し、症状が改善されたら、次の月経周期に再開することになります。