エンブリオロジストの陳永承です。
本日はヒアルロン酸入り胚移植用培養液について説明します!
エンブリオグルー、UTMなどは商品名ですが、ヒアルロン酸を含有している胚移植専用の培養液で、実は女性の子宮内腔や卵胞液、卵管分泌液にも自然に存在しているため、排卵から着床までの過程でヒアルロン酸が重要な役割を果たします。胚膠は長年使用されてきましたが、胚移植の効果についてはさまざまな意見があり、最近の研究まで、まだ明確な結論は出ていません。
2020年に発行されたレトロスペクティブジャーナル(注1)では、過去10年間に6704人の患者を含む26の関連研究ジャーナルを分析した後、メタアナリシスの結果、ヒアルロン酸が豊富な培養液の使用は確かに妊娠率と出産率が増加すると結論付けています。2022年に発行されたジャーナル(注2)では、関連する過去9件の研究を分析し、メタアナリシスを行った結果、同様の結論が得られました。 過去に、ヒアルロン酸は、胚を接着剤のように子宮内膜にくっつけ、着床の目的を達成するために胚と子宮内膜の間の「相互作用」を増加させることができるため、胚の着床を助けると信じられていたことは注目に値します。近年に推奨されているのは、移植する前に、胚を高濃度のヒアルロン酸にしばらく浸すことです。これにより、胚自体の着床能力を高めることができます。
しかし、このようなヒアルロン酸含有培養液を使用しても妊娠率にプラスの効果がないと指摘されている研究もあるため、英国のHFEA(Human Fertilization and Embryology Authority)(注3)はこの生殖医療補助品に「オレンジライト」をつけ、体外受精治療の過程で使用すると生児出産の可能性を高める可能性があることを示しますが、現在の科学的根拠はまだ不十分であり、日常的に使用することは推奨されていません。したがって、現在の研究では、胚着床に(エンブリオグルー)などのヒアルロン酸が豊富な培養液を使用すると妊娠率が向上する可能性があることが示されていますが、すべての患者に効果があるとは限りません。着床不成功や流産を繰り返した方、または高齢の方にはエンブリオグルーの使用が考慮される場合があります。
当院では、治療の回数やご希望により使用しております。
註1:Cochrane Database of Systematic Reviews 02 September 2020 註2:Human Reproduction Update, Vol.28, No.4, pp. 480–500, 2022 註3:https://www.hfea.gov.uk 為英國⼀給予進⾏IVF病患引導、解說的組織