卵子凍結や体外受精には卵胞を育ち、良質な卵子を採取するため、排卵誘発剤が用いられることがあります。卵胞数が多く、卵胞ホルモンが非常に高い場合には卵巣過剰刺激症候群(Ovarian hyperstimulation syndrome,OHSS)が引き起こしやすいですが、多くのケースでは特に治療をする必要はなく経過観察となります、1~2週間で回復できます。
OHSSの症状について 卵巣が腫れて、卵巣の表面の血管から水分やタンパク質、電解質が漏れ出し、お腹や胸に溜まることで、下腹部痛、体重増加、乏尿、呼吸困難、血栓症などが起きます。
軽~中度:多くの場合には腹部膨満のみで、特に治療をする必要はなく経過観察となります、1~2週間で回復できます。 重度:体重の急増や呼吸困難、ひどい腹痛、吐き気、嘔吐、尿量が一日500ml未満などであれば、速やかにご連絡とご受診を。
予防対策について ✔水分補給と電解質 (ポカリスエットなど)1.5L~2L/日とタンパク質類(肉、魚、卵など)を多めに摂取しましょう。 ✔普段通りに生活をしても大丈夫ですが、腫大した卵巣の茎捻転を起こさないために激しい運動を暫く避けたほうが良い。 ✔お薬のhCG注射量を調節したりDecapeptylと併用します。 ✔採卵後のAlbumin製剤が投与します。 ✔新鮮胚移植をせずに、胚をすべて凍結保存され、次の月経周期に胚移植を再開します。