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この薬を飲むと乳がんになりますか?

2025.11.19 妊活レッスン

子宮内膜症の患者さんから診察でよく聞かれる質問です:
この質問はとても重要で、ぜひ触れておきたい内容です。
最新の研究はどう言っているか?
2025年、韓国では20〜49歳の10万人以上の女性で、
全員が子宮内膜症を持ち、少なくとも半年間ディエノゲスト(Dienogest)を連続使用している方を対象に研究を行いました。
その結果、Dienogest使用群の乳がん発生率は、GnRH注射群とほぼ同じで、有意な差は認められませんでした。
調整後ハザード比(aHR)=1.01(95% CI 0.75–1.37)
興味深いことに、短期間使用(0.5〜1.5年)の場合は逆にリスクが低く、
aHR=0.72(95% CI 0.53–0.99)
となっています。ただし、長期使用での変化については、さらに長期の追跡が必要です。
では、なぜ心配される方がいるのか?
初期の細胞実験では、一部の乳がん細胞株(特にPGRMC1が高発現しているもの)で、ディエノゲストが細胞増殖を促す可能性が示されました。
しかしこれはあくまで体外の細胞レベルでの現象で、臨床上では乳がん発生率の増加は確認されていません。
臨床上の結論
Dienogestの安全性は現在のところ非常に安定しており、
乳がんリスクはGnRHアゴニストと同等で、臨床的には増加の証拠はありません。

✅ 長期的に子宮内膜症をコントロールしたい患者さんにも適しています
✅ 乳がん家族歴やBRCA遺伝子変異がある方は、医師と相談し、定期的に経過を追うことをおすすめします
李医師のワンポイントアドバイス:
子宮内膜症の治療のポイントは「長期的に安定してコントロールできる方法を見つけること」であり、薬をただ怖がることではありません。
本当のリスク管理は、定期的なフォローと、自分の体に正直でいることです。


References:
1️⃣ Jhang H et al., Int J Gynaecol Obstet, 2025; doi:10.1002/ijgo.70424.
2️⃣ Schneck H et al., Gynecol Endocrinol, 2013;29(2):160–3.


孕醫㊗️您心想事成!