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胚移植後の子宮外妊娠の危険とMTX薬物治療

2023.7.27 妊活レッスン

胚移植後重要なのは貴重な胚を移植する子宮内膜が厚く、着床しやすい位置、これが妊娠成功につながります。アメリカ生殖医学会の不妊症女性体外治療後の統計資料によると、子宮外妊娠の確率は1.38%あり、自然妊娠者より高い傾向にあります。これは患者さんがもともと卵管に問題があるケース、または排卵刺激剤を使用したことによりホルモンによって子宮腔内に着床しづらくなっている可能性があります。また子宮外妊娠と診断された場合、手術または薬物での治療を行います。


♦薬物(Methotrexate, MTX)治療:
MTXは癌の化学治療の薬物の一種で、絨毛細胞に効果があり、子宮外妊娠の胚組織を壊すことができます。


♦MTX治療の条件
1.妊娠6週未満
2.血中β-HCG濃度2000 mIU/ml未満
3.3.5cm未満で破裂していない胚組織


MTXは子宮外妊娠治療の際に通常筋肉注射で投与され、体重で計算すると毎1㎏に対して1mg、血中β-HCGの濃度を追い、数値の低下が続き、他に子宮外妊娠の破裂や出血の兆候がない場合は、値が 10 mIU/ml を下回るまで観察を続けることができますが、低下が大きくない場合は、追加の注射を検討するか、必要に応じては外科的治療に切り替える必要があります。


子宮外妊娠にMTXを利用した症例の成功率は93%に達し、再度手術を行う必要はありません。