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DHEA-高齢、AMH低値の補助治療

2023.5.22 妊活レッスン

DHEA(Dehydroepiandrosterone)デヒドロエピアンドロステロンは前駆体の間接ホルモンの一種であり、副腎皮質の網状細胞によって生成され分泌されます。DHEAは、DHEAの受容体を持つ特定の器官や組織(皮膚、乳房、生殖器など)に吸収され、組織内で活性ホルモン(エストロゲン、テストステロン、プロゲステロン)に変換されます。DHEAは体内で最も豊富なホルモンステロイドであり、年齢と性別によって異なり、30歳以降は年齢とともに減少していきます。

DHEAは体内で生成されるだけでなく、外部からの補充も可能です。山芋に含まれるジオスゲニン(Diosgenin)は化学構造がステロイドスパニンと類似しており、合成ホルモンやステロイド製剤の原料としても使用されますが、直接摂取しても体内でこれらのホルモンは自己生成されず、実験室で多段階の濃縮と精製されたあと、高濃度の活性化成分になります。体内で生成されたDHEAと口服で摂取したDHEAサプリメントも肝臓で代謝されてデヒドロエピアンドロステンDHEA-S(Dehydroepiandrosterone sulfate)に変わります。したがって、もし服薬した天然山芋の抽出物の場合、DHEA/DHEA-Sの血中濃度を効果的に増加させることはできないかもしれません。


臨床研究では卵巣機能の低下や早発卵巣不全の患者、特に高齢の女性に対して体外受精治療過程の3か月間、毎日75~90㎎のDHEAを服用してもらうことで卵巣の保有量や採卵数を増加させ、胚の品質を改善し妊娠率を向上させる可能性が示されています。長期のDHEAの摂取はにきび、過剰な皮脂分泌、体毛の増加などの副作用を引き起こす可能性がありますが、一般的に毎日の摂取量が100㎎未満の場合、副作用は見られません。多嚢胞性卵巣症候群の患者(Polycystic ovary syndrome,簡稱PCOS )はすでに体内のアンドロゲンレベルが高いため、DHEAの追加補充はアンドロゲンをさらに上昇させ、症状を悪化させる可能性があります。そのため服用する前に必ず医師に相談し、自己判断補給をしないようにしてください。